吉田良の議会活動

議会

令和6年第6回定例会(12月)

本会議

(議案第110号 名取市保育所条例及び名取市小規模保育所条例の一部を改正する条例)

吉田

今回、2つの施設に指定管理者制度を導入するということですが、導入後の管理運営を行う団体は、現時点では引き続き同じところを想定されているのでしょうか。

 

こども支援課長

今回お認めいただいて導入を進めていくに当たって指定管理者として予定している団体は、現在業務委託を行っている団体2つです。

 

吉田

業務委託から指定管理に変わることによって、実際に働いている現場の職員の方々の処遇の面で何か変更されることが考えられるとすれば、それについてお伺いしたいと思います。

 

こども支援課長

処遇については、同じ事業主で同じように業務を行っていただく予定としていますので、特に大きな変化はないと捉えております。

 

 

(議案第112号 名取市企業立地促進条例の一部を改正する条例)

吉田

第6条第3項の部分でお伺いいたします。一月以上の県外における業務上必要な知識及び技術を習得するための研修を受講した場合、受講した人数に10万円を乗じてということがここで規定されていますが、そのような県外での1か月以上に及ぶ視察がどういう内容のものなのか、それから申請の仕方、その申請を受けた本市はどういう形でチェックを行うのか、その考え方についてお伺いします。

 

商工観光課長

当然、申請される前に確認できる書類を提出いただくようにお話しするわけですが、事前研修の計画書や参加者の名簿、終わった後の事業報告書などを添付していただくことを考えております。また、企業によっては、研修を受けた後、修了証書みたいなものを交付する企業もあるようですので、そちらでも確認が取れるのではないかと考えているところです。

 

吉田

研修にもいろいろな種類があって、ここで「業務上必要な知識及び技術を習得するため」ということが一つ条件になっているようです。その研修が本当にこうしたことに資するものかどうか、こちら側でしっかり審査できるものなのでしょうか。研修を受けましたと報告書さえ出せばその分のお金をはいどうぞと、非常に緩い審査で出されてしまうのではないかと私は懸念をしているわけです。本当に従業員の方たちの能力アップにつながるような研修の内容であるかどうかというのはどのように判断するお考えなのか。外部にお願いするのか、それとも本市の職員でそういうことに詳しい方がいらっしゃるのかどうかをお伺いしています。

 

商工観光課長

外部にそういう審査をお願いすることは考えておりません。先ほどもお話ししましたが、事業計画書または報告書、また研修を受けている最中の写真なども添付していただければ、その辺で内容を確認していくと。また、そういった書類がなかなかない場合は、例えば会社の代表者の方の、間違いなくこの方は受けていますといった誓約書ではありませんが、そういった書類も添付していただいた上で、ヒアリングなどもさせていただきながら判断していきたいと思っています。

 

吉田

先ほどと同じ第6条第3項でお伺いします。研修ということですが、何を研修と言えるのか。県外でというのが一つ条件のようですが、研修にも社内のもの、社外のもの、様々想定されると思います。どういう範囲のものを研修として認めるお考えなのかお伺いします。

 

商工観光課長

今回、研修を加算の一つにした件ですが、会社によっては、操業開始に当たって、事前に本社工場などで内容を研修させてから、新しく雇用した方を配属するというお話が複数あったことが今回の改正の始まりです。企業が例えば自社の本社工場などで実施する社内での研修といったものを今想定しております。

 

吉田

今の課長の答弁ですと、企業のほうから研修の費用が必要だから出してねと言われて、それに応えるようにも捉えられます。新規雇用者に対する研修が、恐らく今想定されているもののほとんどだと思いますが、社内での研修ということであれば、仮に今後、市内の新しい事業所で働いた方が、また1年ごとにどこかほかの県に行って別のところで研修して帰ってくると、そのたびに10万円を手当てすることになるのではないかと思いますが、その辺の線引きは何か考えておられるのでしょうか。

 

商工観光課長

現在、新しく雇用された方が令和7年1月の操業開始に伴って、あるいは事業継続に伴って受けた研修1回限りで交付することを考えていますので、複数回ということは考えていないところです。

 

 

(議案第113号 名取市地域経済牽引事業の促進による地域の成長発展の基盤強化に関する法律第9条第1項の規定に基づく準則を定める条例の一部を改正する条例)

吉田

先日の議案の事前説明でもあったとおり、緑地率等を愛島西部工業団地(第1期)と統一するという考え方に基づいて今回提案されているということですが、頂いた議案第113号資料その2を見ますと、用途地域については第1期が工業専用地域となっていて、今回の第2期は今後編入したとしても準工業地域ということで、この部分では統一されていないのではないかと思うのですが、今回、工業専用地域としないのはどうしてなのでしょうか。

 

建設部長

議案第113号資料その2を御覧いただきたいのですが、愛島台7丁目と1丁目は工業専用地域ということで、こちらは工場しか建てられない用地になっております。第2期分の愛島台5丁目、4丁目、2丁目地区については、少し用途を緩和して、例えばホテルなど様々な企業の進出や、準工業地域であれば一般住宅も建てられますので、そういったところで用途地域の緩和を行ってまちづくりを推進したいという思惑がありました。

 

吉田

そうすると、緑地率を統一したいと言ったその理由そのものが成り立たなくなるのではないかと思います。統一することによって一体感を出していくということではないかと思うのですが、第1期が工業専用地域で第2期が準工業地域ということであれば、緑地率も同じでなくてはならないということはないと思います。そこまでして緩和しなければいけない理由は何でしょうか。

 

生活経済部長

愛島の第2期部分の土地利用の在り方については建設部長が答弁したとおりで、この開発を再開した当時は、今答弁したような形である程度柔軟な用途設定をしていろいろな業種も設定できるようにということでまちづくりが始まったわけですが、現状、この図面を見ていただくと、愛島台4丁目、5丁目については企業誘致ということでいわゆる産業系で土地利用が図られているのが実態です。最初は企業が好調に進出していただけるかどうか正直我々も分からないところがありましたが、現状は大分順調に企業誘致ができているということで、もちろん御指摘いただいたとおり用途は違いますが、進出される企業にとっては、やはり同じ団地で同じく外周を囲む中で適用が違うというのは、我々企業誘致をする立場としてはなかなかそこは説明しづらいということで、今回、合わせていただくような形で提案しているところです。

 

吉田

企業誘致を進めていくこと、そしてたくさんの企業が立地することは大変喜ばしいことで、基本的には市の経済活性化に直接つながることですので大歓迎したいという気持ちは同じです。ただ、その一方で、工場ということになってくると、やはり環境への影響、大気であったり排水であったりという部分で、弊害に当たる部分も当然出てくるわけですから、そうしたところを緩和するためにこそ設けられている環境の基準ということだと思います。しかも、この地域については、この地図を見て分かるのですが、住宅地の周りをぐるりと全部工場で囲んでいるという形ですから、地域に今住んでいる方々の環境としても、輸送車が増えるとかということだけではなく、いろいろな影響が出てくると思います。このように今回緑地率等の規制を緩和することについては、地元である愛島台の住民の方々にどういう説明をしてきて、その結果どのような形で理解をいただいたと捉えているのかお伺いします。

 

生活経済部長

今回の提案に当たり、この件に関して地域の皆さんとの話合いは持っておらず、改まった説明はしていないのが実態です。今回なぜ緩和をするのかということがありますが、工場立地法で一応指定はされているものの、周辺の自然的な条件、それから社会的な条件から判断してある程度市町村で検討していいということもあり、既に住宅を囲っている第1期ではそういう緩和の適用もされていますので、一つの団地ということで、同じような割合で適用させていただきたいと今回考えたところです。今回この規制を緩和しても、住民の皆さんの生活環境に特段大きな影響を及ぼすものではないということで提案させていただいているところです。

 

吉田

地域住民にそんなに大きな影響はないというのは、もし仮にそのとおりだったとしても、説明があった上で変更するのと、全く説明なしに決められてしまうのでは、地域としての受け止め方は全く異なってしまうと思います。今、生活経済部長からの御説明では、全く地域に対しての説明がされていないということでありまして、決まってから、後になって、こういう変更が地域の住民の理解なしに進められたということになれば、地域の方々としてはどういう受け止め方になるのでしょうか。市に対しての信頼が損なわれてしまうのではないかと思うのですが、町内会などがそういうためにあるわけですから、もう少し丁寧に地域住民の方たちへの聞き取りを行うなど、一人一人アンケートを取れとまでは言いませんが、どういう形でこれから地域の理解を得ていくことになるのか、その辺についてお伺いします。

 

生活経済部長

愛島台の団地にどのような企業がいらっしゃるかというのは、担当課において定期的に地元の皆さんと懇談などもして、説明をして、場合によってはそういう企業を見ていただくような取組なども行っていると聞いております。

今回はあくまで特定業種に該当する企業の緩和ということでありまして、既に進出している部分については特定業種に該当しないのでそういった適用はないのですが、いずれ進出される企業については、地元の皆さんにこういう業者が来ますということを説明した上での懇談等もされていると聞いておりますので、そういった機会を捉えて、必要に応じて担当部においても、そういう説明が必要であればお邪魔をして、理解をいただきたいと考えております。

 

一般質問

吉田

14番吉田 良です。ただいま議長から発言のお許しをいただきましたので、事前の通告に従って一般質問を行います。

初めに、大項目1 県立精神医療センターの建て替え用地についてです。

県立精神医療センターの建て替え場所については、これまで東北労災病院と合築し、富谷市に置く計画で進められてきましたが、令和6年11月13日に開催された県の精神保健福祉審議会において、県が初めて本市を正式な選択肢として示し、審議会は全会一致で本市での建て替えが妥当と決議しました。このことを受け、村井知事は、県立精神医療センターの富谷市への移転を断念し、本市で建て替える方向で検討を進めていくことを表明しました。患者やその家族、医療や福祉の従事者の方たちが要望し続けてきたことが、ようやく認められました。病院統合再編構想の表明から実に3年2か月を経てのことでした。その建て替え用地の有力な候補とされているのが、仙台赤十字病院と統合する県立がんセンターの跡地です。まずは、本市の捉え方を確認したいと思います。

小項目1 県知事から、県立がんセンターの跡地とする案が示されましたが、それに対する御見解を市長にお伺いします。

 

市長

県立精神医療センターの建て替え用地については、県議会令和6年11月定例会において、県知事から「名取市内で建て替える方向で検討を進める」との表明があり、その後の報道機関の取材に答える形で、県立がんセンターの跡地を一つの大きな選択肢とする案が示されたことは承知をしているところです。

議員御指摘の県立がんセンターの跡地とする案が示されたことについては、植松入生に整備予定の新総合病院の基本構想が公表され、開院への見通しが立ったことから候補地としたものと捉えており、引き続き関係者と協議を図りながら、県において建て替えに向けた検討が進められていくものと考えております。

なお、県立がんセンターの跡地を含め、名取市内での建て替えが示されたことは、本市のみならず、県南地域などから通院・入院されている患者や当事者の方々が心配されていた負担の増加が回避されるもの捉えており、本市にとってよい方向性を示していただいたものと受け止めております。

 

吉田

よい方向性であることは間違いありません。

それで、この件について、記者会見等で市長から満額の形でかなったと思うという旨の発言があったと報じられていますが、その事実関係、また、記者会見で言い足りなかったことなどがもしあれば、この場にてお伺いします。

 

市長

記者会見といってもいろいろ、どの記者会見でどういった発言があったかということで、満額ということについても、どの時点でどう発言したかということはこの場では分かりかねますが、趣旨としては、これまで市では、患者をはじめ関係者の声をお聞きして県にお伝えをしてきました。できる限り関係者の不安、心配に配慮してほしいということを要望してきた立場であります。また、今回は、最終的に関係者の思いに寄り添う判断をいただいたと思っています。そして、半世紀にわたり県立精神医療センターを中心に築き上げてきた県南の精神医療保健の包括支援の体制の重要性について認識をいただいたものと、そういった形で申し上げています。

 

吉田

満額でという表現が実際のニュース番組の録画でも流れていたので、恐らく記憶にないのであれば忘れてしまったのかなと思いますが、そもそも市として県に対し、県立精神医療センターの患者の方たちの思いを酌み取ってほしいというお願いはしてきたと思うのですが、本市で存続をしてもらいたいと、富谷市の移転に反対をしてきた経緯はあったのでしょうか。

 

企画部長

これまで富谷市への移転について反対ということを明確に申し上げてきた経過はありませんが、市内で暮らされている方々、関係者の方々、患者さんを支えていただいている方々、医療関係の従事者、それから御家族の方々に負担が生じないような施策を講じていただきたいというお願いはしてきたところです。富谷市ということを前提に、明確に反対と申し上げてきた経過はないと捉えています。

 

吉田

そのあたりが患者の方、御家族の方、そして医療関係の方々にとって一番の不安材料だったということです。

河北新報の令和5年10月21日付朝刊ですが、精神障害者の暮らしと医療を考える仙南ネットワークが県の当時の計画を評価した名取市に対して計画撤回を求める要請をしたという記事が載っていました。これは令和5年10月18日時点で3回目だったということです。これだけ富谷市に行ってしまうということに対して物すごい不安を患者の方が覚えていたと。医療関係者、福祉関係者は、それは絶対無理だとおっしゃっていたところですから、そのあたりもっと声を上げてもらえていたらよかったなと。ここまで時間を取られることがなく、もっと早く村井知事に英断を促すことができたのではないかと。ただ、本市としては、もちろん統合病院を迎える側でもあるので、非常にそこは微妙な関係ということを理解できる部分も確かにあると思います。ただ、やはり、時間がかなり経過してしまったということもありますので、今からでも、この建て替えの時期がより早められるようになるよう、こちらとしても精いっぱい協力をしていくべきだと思います。

そこで、次に移ります。統合病院の開院時期は早くて2030年、令和12年にずれ込みました。その後、県立がんセンターの建物が解体され、新しい県立精神医療センターが建設されるとして、さらに三、四年はかかると見込まれます。老朽化した施設に改修を重ねて使っているところ、さらに10年もその状況が続くとなれば、患者にとっても医療従事者にとっても負担が大き過ぎます。立地自治体として、本市も何かしら貢献できないでしょうか。

小項目2 建て替えが少しでも早く実現するよう、より優位な場所を県に提案するための調整を始めるべきと考えますが、市長の御見解をお伺いします。

 

市長

建て替え用地につきましては、さきの県精神保健福祉審議会において、早期に建て替えに着手できることなどに留意しながら、県及び県立病院機構の所有地から候補地を検討していくとの県の見解が示されたところです。

これまで名取市内で候補地としての可能性を持つ土地につきましては、既に県において検討された経過があり、今般、県立がんセンターの跡地を案として示されたことは、当該跡地が、より優位な場所と判断されたものと理解しておりますことから、市として建て替え用地を提案する考えは持ち合わせていないところです。

 

吉田

県の病院機構が所有している名取市内のほかの土地があると思いますが、現在の把握内容をお伺いします。

 

病院立地環境整備推進室長

県では建て替えの候補地として、県立がんセンターの移転後の跡地、現在の県立精神医療センターの敷地、県立精神医療センター前の県道向かいの仮設住宅跡地であるグラウンド、このグラウンド奥の名取病院時代の農作業場、最後に、令和5年度閉校しました県の高等看護学校、これら5つの土地について、今後候補地として検討を進めていくという見解が示されているところです。

市内のそれ以外の土地について、例えば、新病院を県に提案する際に市において比較検討を行いました候補地については、事業を営む個人、法人の土地も含まれていますので、市情報公開条例に基づいて公表できないものです。

 

吉田

もともと農場があったところはかなり面積が広いと思うのですが、県立がんセンターをこのまま統合した後に建て替えすることの案と、それから、今の段階で新しい建物を建てることができるような現時点で建物がない場所、そうしたところをそれぞれ比較して、最速でいつ建て替えが済むという見込みについて把握はされていないでしょうか。

 

病院立地環境整備推進室長

現時点において県から県立精神医療センターの建て替えのスケジュール、具体的な時期などについては示されていません。

 

吉田

道路も相当改良しなければいけない部分が出てくると思いますので、そういった部分は、現在進めている県立がんセンターの統合病院と同じように市としても最大限協力していただきたいと思いますが、市としていち早い情報の確保はどのように進めていかれるのか、お伺いします。

 

病院立地環境整備推進室長

これまでも県とは定期的に打合せを行うなどにより市として情報の確保に努めているところですが、今後、引き続き、県議会なども尊重しながら、適宜情報をホームページ、広報などで発信していければと考えています。

 

吉田

まずは、利用者の方々にとって望ましい形で本市での存続が決まったということですので、今後も、もちろん県のほうもそうですが、患者、そして医療関係者、関係団体とも緊密に連携を取りながら、いい形で建て替えが行われるように最大限努めていただければと思います。

それでは、次の質問事項に移ります。大項目2 公募型プロポーザル方式の運用についてであります。

プロポーザル方式とは、複数の事業者から企画提案や技術提案を求め、提案内容を審査し、企画内容や業務遂行能力が最も優れたものを選定し契約する方式のことです。広く多くの事業者から提案を募る公募型と、限られた事業者から提案を募る指名型とありますが、比較的多く用いられているのが公募型です。まずは、本市の現状について確認したいと思います。

小項目1 発注形態として公募型プロポーザル方式を用いる場合の基準を、市長にお伺いします。

 

市長

地方自治法の規定により、地方公共団体の契約は、一般競争入札により締結することを原則としております。

一方、発注形態としての公募型プロポーザル方式による契約については、価格だけではなく、業務を履行する上での高度な知識、技術力、創造性、企画力、業務遂行能力等を総合的に評価して最も優れた企画・提案を提示したものを契約の相手方として選定する方法であります。

本市においては、ただいま申し上げました企画・提案を提示していただくことが必要であると判断した業務について公募型プロポーザル方式を用いております。

 

吉田

市の様々な部署で行っていると思いますが、統一的な基準などについては定められているでしょうか。

 

財政課長

現在、公募型プロポーザル方式に関して、特化した基準、ガイドライン的なものは定めていません。契約の手引をつくって庁内で共有していますので、それに基づいて各担当課で業務に当たっている状況です。

 

吉田

それでは、次に移ります。プロポーザル方式は、地方自治法第234条第1項の随意契約です。先ほど市長の御答弁がありましたが、地方自治体の契約は原則として一般競争入札でなければならず、地方自治法施行令第167条で指名競争入札、第167条の2で随意契約によることができる場合の理由が示されています。随意契約は、受注者の恣意的な選択が行われる懸念があり、あくまで例外として位置づけられています。そこで、このプロポーザルの運用における留意点について確認をさせていただきたいと思います。

小項目2 透明性・公平性を確保するために留意している内容を、市長にお伺いします。

 

市長

公募型プロポーザル方式を実施する場合、透明性・公平性を確保するため、それぞれの業務の実施要領等をホームページ上で公表し、その中で選定に当たっての審査基準やその配点の状況等についてもあらかじめ示しております。

また、プレゼンテーションの審査を行う際には、複数名による選定委員により業務に最も適した契約候補者を選定しております。

 

吉田

選定委員に外部の方は入ることになっているでしょうか。

 

財政課長

公募型プロポーザル方式を実施する場合に、発注課において、その業務の内容に即した形で、専門性が必要な場合、それから、庁内の者でなかなか審査が難しい場合については、外部委員に委員会の中に入っていただくという手法を取っている業務もあります。

 

吉田

それから、公表はホームページ上と先ほど市長の御答弁がありましたが、ホームページ以外のものが何かないかどうかということと、ホームページ上で公募してから応募の締切りまでの期間についての定めもどのようになっているのかお伺いします。

 

財政課長

まず、周知の方法ですが、基本的には広く公募するという意味合いからホームページで掲載をしています。それ以外に、各担当課の窓口、それから、時期的に間に合えば広報なとり等々で周知もしています。

それから、期間ですが、公募の内容に沿って広く参加をしていただく、提案をいただくという趣旨から、公募内容に関しまして、質問の受付、回答をしまして、参加表明書、それから、企画提案書の提出までに一定の期間を設けています。ただ、こちらについては一律ではありません。業務の内容、ボリューム、難易度、スピード感の必要なもの等々実施時期によるもの、実施時期が短いものなど、様々な状況がありますので、期間については一律ではありません。いずれにしてもその事業の実施する担当課において、できるだけ広く参加、提案をいただけるように配慮して、期間については設定している状況です。

 

吉田

ここで実例を見ていきたいので、配付資料を御覧いただきたいと思います。公募型プロポーザル方式で事業者を選定した本市の事業のうち、最近行われた5例をここに挙げています。

まず、1)から8)となっているところがスケジュール上の各期日になります。これは全て公募開始時に公表された日程です。それを基にして私が日数を割り出したのがその下の部分になります。また、一番下が提案上限額ということで、単位は円となっています。こちらを見ると100万円台から2億円を超えるものまであります。

この中で日数の(営業日)となっている部分に着目をしていただきたいと思います。まず、一番上の応募期間1)から4)となっている行です。多くの業者に参加してもらうためには、応募期間を長く設けたほうがよいはずです。この5例の中で最も長く設定されているのが名取駅東西自由通路デジタルサイネージ等PR動画作成業務委託、こちらは19日間となっています。金額がその4倍の名取市公式ホームページリニューアル業務委託については17日間と、より短くなり、莫大な金額のなとりスーパーキッズ育成事業業務委託は14日間とさらに短くなっています。金額が大きくなるにつれて事業の規模も大きくなると思うのですが、逆に応募期間が短くなっているというのは、業者選定を公募とする目的に矛盾するのではないかと思います。また、提案上限額が約2億5,000万円のなとりスーパーキッズ育成事業業務委託と136万円余りの名取市ICTデジタル体験イベント開催業務委託が、応募期間で1日しか差がないというのも非常に不可解な感じがします。

これらの事業は全て同じ課が所管しているものでありまして、スケジュール設定には法則性が見られないのですが、今指摘した点について、市長はどう感じられるでしょうか。

 

財政課長

議員から規模感の大きいもののほうが同等もしくは少し短いというお話がありました。担当課においても業務の難易度、ボリューム感、それから先ほどの答弁の繰り返しになりますが、実施時期やスピード感等々、そういった状況で必要な場合もあります。そういったところを全て含めて担当課で一定の提案期間を設けて公募している状況と捉えています。

 

企画部長

議員から資料で示していただいている事業は全て企画部所管ですので、事業の所管課としての考え方についてお話を申し上げたいと思います。

基本的に公募型のプロポーザルについてはガイドラインがないので、一般競争入札等の基準等に反しないような形で進めていくことに現状はなっていると捉えています。

そういった中で、この5件については種別が業務委託ですので、一般的な工事等の入札とは異なる面はありますが、工事等の見積期間では5,000万円以上の工事であれば15日以上ということが目安として示されているところです。これらの事業については、公募開始から提案書を作成をしていただく期間、これがいわゆる見積期間になると思いますが、これについては十分な期間を取っていると認識をしています。特になとりスーパーキッズ育成事業業務委託については、この中では一番長い期間、おおむね1か月間取っています。金額のみではなくて、内容によって見積りにかかる時間はそれぞれ事情が異なると思います。そういった意味では企画の提案書提出までの時間は十分取っているということで、公募型にした場合の業者の検討に要する時間については配慮しているものと捉えています。

個別の事業間の日数の差異等については、営業日の関係やあるいはこちらの事業の関係もあって設定している面もありますので、多少差異があることについては御了解いただきたいと思います。

 

吉田

今部長が答弁された見積期間というのが、恐らくこれでいうと1)から6)というところになってくるのかなと。提案書の作成ができる期間ということですので。そうすると、確かになとりスーパーキッズ育成事業業務委託はその部分では1か月取っています。ただ、そこはまた別な観点から見ると別な不自然な点が見えてくるので、それはこの後に指摘したいと思いますが、私がその前に申し上げたいのは、プレゼンテーションから審査の結果発表までの期間についてです。この表で言うと7)から8)と示されています。こちら名取市公式ホームページリニューアル業務委託以外は、営業日ベースで1日となっています。プレゼンテーションを行った次の営業日には審査結果を通知しなければなりません。そんなに早い決裁というのは可能なものなのでしょうか。複数の業者の参加を想定しているなら、もっと余裕のあるスケジュールを初めから組んでおかなければならないと思います。提案書の提出からプレゼンテーションまで、この6)から7)の間に予備的な審査をしていることも考えられますが、この期間もなぜか名取市公式ホームページリニューアル業務委託以外は短く設定をされているということで、非常に不自然な思いがします。

なお、応募があった業者の数を確認しましたが、名取市公式ホームページリニューアル業務委託だけが2者応募、それ以外、審査期間が1日となっているのはいずれも1者しか応募がなかったということで、1者しか応募がないプロポーザルがこれほど多いというのはやはり日程とか周知の方法を改めていかなければならないと思うのですが、その点どのようにお考えでしょうか。

 

企画部長

まずもって、プレゼンテーションから審査の期間ということでお答え申し上げますと、こういったプロポーザルを行う場合には、事前に仕様書あるいは実施要領といったところを選定を行うメンバーの間で議論をした上で公募に出すということを行っています。そういったことから、審査委員については、当該事業の内容について熟知をした上で審査に臨んでいるというのがまず1点あります。

それから、プロポーザルを行ったその日のうちに審査結果については審査会の中で結論を出すのが一般的ですので、プレゼンテーションの当日には選定委員会の中での結論は出ています。その日のうちに起案書を回しますので、その点については、日数的には1日ということであっても実質的な審査の公平性・公正性といったものは担保されているのではないかと捉えています。

それから、参加業者の数ですが、最終的に、プレゼンテーションに参加された業者が1者といった事業もありますが、実際には参加の表明という段階で問合せをいただいて、参加を検討しているということが複数の会社から示されているものもあります。なとりスーパーキッズ育成事業業務委託についても、複数から問合せ等をいただいていたところです。

先ほどの応募の数ですが、名取市カーネーションを活用した市民参加型シティプロモーションイベント開催業務委託は4者、名取駅東西自由通路デジタルサイネージ等PR動画作成業務委託については8者からの応募がありましたので、その点については御了解いただきたいと思います。

 

吉田

分かりました。私の確認が間違っていたのだとすれば、そこは改めたいと思います。

今おっしゃったような内容で、仮に最初に問合せをしてきた企業が、市からの説明を受けて参加を断念するとなっているケースがいろいろあると思いますが、その理由はどこにあるのか。恐らく、その会社の規模に合わないということもあると思いますが、企画提案を提出するまでの期間が短いために十分に練ることができなくて、時間的な理由で参加できなかったというケースはどのぐらいあるのでしょうか。

 

企画部長

あくまで御提示いただいているこの5件についてお話を申し上げますと、いろいろお問合せがあった中で、期間が短くて応募ができないといった理由で応募を見合せたというお話は聞いていません。ただ、具体的な応募に至らなかった理由についてまではお伺いしていませんので、その点は捉えていないところです。

 

吉田

プロポーザルを行って、私、先ほど1者と申し上げたのは、ホームページで公開されている優先交渉権者の欄だったのですが、何者の応募あって、何者が選ばれたかという形の表示の仕方になっていません。例えば、ある事業がプロポーザルで行われた際に、取れなかった企業からすれば、どうして取れなかったのかということを知りたいと思うのですが、そのあたりの情報公開の基準についてはどのようになっているのかお伺いします。

 

財政課長

議員から今御指摘ありましたとおり、結果の公表については、優先交渉権者はお名前と評価点を表示しています。それ以外の業者については、駄目だったということもありまして、業者名を公開していないというのが一般的です。さらに、複数業者がいた場合、例えば公開しない業者の名前をABC表示しますが、多数いる場合については優先交渉権者だけを載せまして、それ以外は載せていないという状況もあります。

 

吉田

財政課のプロポーザルはA、Bと見ることができたので、その基準も課によって統一されていないということが分かりました。

プロポーザルについては、他の自治体などでも時折聞こえてくる不正の温床になりやすいということで、取扱いは本当に疑問を持たれないようにしていくことと、そして、仮に疑問を持たれたとしてもしっかり納得のいく説明ができるようにしておかなければならないと思います。そのことについて想定をして対策をしていただきたいということで次に移ります。

小項目3 適切かつ円滑な運用を図ることを目的とするガイドラインを策定すべきと考えますが、市長の御見解をお伺いします。

 

市長

公募型プロポーザル方式による契約手続については、適切かつ円滑な運用を図るため、公募型プロポーザル方式のガイドライン等の策定に向けて、県内自治体の策定状況や内容を参考に検討してまいりたいと考えております。

 

吉田

私も調べてみたら、結構多くの自治体が既にガイドラインを策定しているということで、県内では東松島市の策定の状況は確認できました。訓令となっているようですが、様々内容についてもボリュームがあるところがあります。やはり同じ規模の人口を抱えている自治体のものを参考にしていくのがよろしいかと思います。京都府福知山市、福井県越前市、それから茨城県龍ヶ崎市などが本市と同じぐらいの人口規模かなと思います。こうしたガイドラインを比較した上で、より一層高いレベルのガイドラインの策定を目指していただきたいと思います。

それでは、次の質問事項に移ります。大項目3 総合教育会議の運営についてです。

総合教育会議は、平成26年に地方教育行政の組織及び運営に関する法律が改正されたことにより新たに設けられました。本市ではこれまでに20回、おおむね半年に1回のペースで開かれてきています。これまでに様々な議題が協議されてきました。まずは協議事項の選定の現状について確認したいと思います。

小項目1 議題とする事項の選定基準を市長にお伺いします。

 

市長

総合教育会議の議題については、市長または教育委員会が特に協議・調整の必要があると判断した事項について選定しております。

具体的には、地域の教育の課題やあるべき姿を共有する観点から、教育部より協議・調整が必要な事項について幾つか説明を受け、その中から議題を選定するケースが多いところです。

 

吉田

現時点で総合教育会議を所管しているのはどちらの課になるのか、お伺いします。

 

教育部長

総合教育会議の庶務を補助執行していますので、教育部から回答させていただきます。

実質的に総合教育会議を実施している所管課は、教育総務課になっています。

 

吉田

庶務については補助執行できますが、庶務ではない全般的な運用については市長部局ではないのですか。

 

教育部長

事務手続、議題等の選定も含めまして、教育部で所管をしています。

 

吉田

それは補助執行ではなくてということですか。補助執行は、事務以外の部分も全てですか。補助執行の規則によると、事務の部分、庶務の部分だけだと思うのですが。

 

政策企画課長

地方教育行政の組織及び運営に関する法律に基づく総合教育会議に関する事務として、市長が担当する業務の事務を教育部が行っています。

 

吉田

市長が行う事務をですね。事務以外の部分は何があるのかよく分からないですが、全て教育委員会に投げているということでしょうか。理解できないので、次に移りたいと思います。

なぜ、今回、総合教育会議について一般質問を行うことになったかについては、恐らく皆様お察しのことだと思います。前回の令和6年9月定例会9月11日の一般質問の続きという位置づけです。

9月の一般質問において、いじめ重大事態を議題とする総合教育会議を開かなかったことについて指摘したところ、既に起きてしまったことは対象外になるという解釈が答弁され、どなたも訂正せずに会議録に残りました。明くる12日、読売新聞の朝刊が県内版でこのことを取り上げました。その後、学校教育課から13日付で正副議長に対し、9月17日に総合教育会議が開催されるとの説明があり、私もそのことを知りました。重大事態発生からあまりに遅過ぎる開催でした。もし速やかに開催されていれば、いじめ防止対策調査委員会の人選やその調査の進め方など問題点をあぶり出すことができ、被害者生徒からの聞き取りが迅速に行われ、保護者の不信を招くことも避けられた可能性があります。被害者生徒が亡くなった今となっては既に手後れではありますが、今後の再発防止のためには、最低でも結果責任を明確にしておかなければならないと考えます。

そこで、小項目2 令和5年12月19日にいじめの重大事態が発生した旨の報告を受けた後、そのことを議題とする会議の招集まで約9か月を要したことについて、責任をどのように捉えているのか市長にお伺いします。

 

市長

令和5年12月の重大事態については、発生直後から教育長を介し、教育委員会と初動対応や調査の経過について情報共有を図ってきたところであり、また、いじめ防止対策調査委員会による事実解明の調査がされている段階であったことから、総合教育会議の議題にはしてこなかったところです。

しかし、令和6年8月に国のいじめ重大事態の調査に関するガイドラインが改訂され、市長が重大事態の発生報告を受けた際、市長の判断等により、総合教育会議を開催し、速やかに市長と教育委員会とで十分な意思疎通を図り、緊密に連携して対応する必要があるとされたことを受け、9月17日に、重大事態を議題とした総合教育会議を開催したものであります。

 

吉田

そのことは、令和6年9月11日の一般質問では全く答弁がありませんでした。確かに8月30日にガイドラインは改訂されていますが、それは事後のつじつま合わせではないのかということです。市立学校で生徒が自殺を図って、その後亡くなっていると。それにもかかわらず、この責任というものについての言及が全くないのですが、いま一度、市長に、この件に関して、これまで対応の部分で責任という観点から思っておられることをお伺いします。

 

市長

令和6年8月に改訂される前までの旧ガイドラインにおいては、学校の設置者等については、調査結果及びその後の対応方針について、地方公共団体の長等に対して報告・説明することということで、その後、総合教育会議において議題として取り扱うことも検討することとされていました。それが、ガイドラインが改訂され、先ほど申し上げたような内容に変わったということであります。

責任という言葉でおっしゃっていますけれども、その対応について、そのガイドラインに沿った対応であったということであります。

 

吉田

改訂前のガイドラインには確かにそう書いてあるのですが、今ここで、前回9月にも申し上げたように、地方教育行政の組織及び運営に関する法律の中には逐条解説として、今申し上げたように児童生徒の生命、身体の保護等緊急の場合に講ずべき措置ということで位置づけられているのですが、そちらの観点については、全く頭にないというか、考慮するつもりはないということなのでしょうか。

 

総務部長

地方教育行政の組織及び運営に関する法律第1条の4第1項第2号のところが問題になっていたと思いますが、前回も御答弁申し上げましたが、児童、生徒等の生命又は身体に現に被害が生じ、又はまさに被害が生ずるおそれがあると見込まれる場合等の緊急の場合に講ずべき措置と規定されています。この場合「現に被害が生じ」の後は「又は」以下のどこかにかかるはずです。これについて、私は逐条解説は読んでいませんので、条文上の話ですが、そちらを読みますと、あくまでも未来のところ、過去に起きたことについては読みづらいということで、前回そのような答弁をさせていただきました。

さらに、今回、逐条解説も見ましたが、逐条解説によりますと、例えば、災害の発生により生命又は身体の被害は発生していないが、校舎の倒壊などの被害が生じており、防災担当部局と連携する場合ということで将来のことについて規定されています。そのほかに、災害発生時の避難先での児童生徒等の授業を受ける体制や生活支援体制を緊急に構築する必要があり、福祉担当部局と連携する場合ということで例示されています。したがいまして、第2号のところについては、これからどのような対策を取っていくかというところに主眼を置かれている規定ということです。

ただ、今回の案件が総合教育会議にかける必要のない案件だということを言いたいのではなくて、今回の案件については、同条の第4項に規定されています教育委員会の権限での招集を求める案件、つまり、4項協議がなされるべきものではないかということで前回御答弁をさせていただきました。

 

吉田

今まさに自殺が起ころうとしているときに開くということは、今飛び降りようとしていたら会議を開きましょうというような解釈になるのですよね。そんなことは技術的に不可能です。これは間違いなくそうした事案が起きたときに速やかに開いて、そして、今後のことを協議・調整していくとしか捉えることができません。そうじゃなかったらこの法律の意味がなくなるわけですから。私は今の総務部長の解釈は、前回の9月定例会を踏襲しているものと捉えましたが、はっきり言いまして、それについては不服です。そういう対応ではこれからも同じようなことが起きてしまうと思います。

開いてはいけない規定はありません。開こうと思えば開けました。何せ市長にその招集権があるわけですから。なぜ秘密会などの規定があるかと言えば、こういういじめなどの個人名が出てくることを想定しているからで、秘密会があるのだから、そこで会議を行っても何も問題がないわけです。ということで、私は市長が責任を認めないというのは非常に不服です。まず分かりました。

次は、総合教育会議の運営のエラーというところを考えたいと思います。教育委員会がなぜ総合教育会議を開くかどうかの判断に至らなかったのか。やはり今おっしゃったように古いガイドラインに沿っていたということなのかと。であれば、なぜ令和6年8月30日にガイドラインが改訂された際に、それをすぐに検討しなかったか、その部分についてお伺いします。

 

教育部長

令和6年8月30日付で新しいガイドラインが公布されたところです。その後、9月上旬に教育部に県から通知があり、内容を精査していたところです。至急、検討していたところではありますが、総合教育会議の開催は9月17日になったところです。

 

吉田

私がここで質問した令和6年9月11日の時点で、教育長は確かにそうした答弁をされていますが、市長からは一切その説明がなかったのです。それは意思疎通がしっかり図れていなかったということでしょうか。

 

教育部長

ガイドラインの内容等については逐次調整をさせていただいています。会議に教育委員が出席できる状況等も踏まえて迅速に対応した結果が令和6年9月17日ですので、御理解いただきたいと思います。

 

吉田

ということは、私が一般質問した令和6年9月11日の前の時点で、ガイドラインの改訂については市長部局に情報提供されたということですか。

 

教育総務課長

新ガイドラインは令和6年9月上旬に教育部に県から通知が入りました。そこで内容について精査をしていましたけれども、議会中ということもありまして、市長への報告はその後となりました。9月11日以降となったことは事実です。

申し訳ありません。ガイドラインが変わりましたということは御報告していますが、内容の説明が議会後となったということです。

 

吉田

改訂されましたという部分だけの報告だったんですね。それは報告とは言わないですよね。それでは市長も分からないのは当然です。

そういうことが起きる原因が一体どこにあるかといえば、教育総務課が補助執行しているということにあるのではないか。そこの部分を検討しないと、また同じような問題が起きてしまいかねませんので、次に移りたいと思います。

小項目3 現行では庶務に関することを教育部長に補助執行させていますが、市長部局で処理することを検討すべきと考えます。市長の御見解をお伺いします。

 

市長

総合教育会議の庶務は、地方自治法第180条の2及び教育委員会等への事務の委任及び補助執行に関する規則により、教育部長に補助執行をさせております。

総合教育会議の議題が教育行政に関する分野に係ることであり、また、教育委員会が構成員となることから、教育部局で庶務を行うことで効率よく事務調整が行われているものと捉えております。

 

吉田

よい部分も確かにあると思います。よい部分もあると思うのですが、そうではない弊害も当然あると思います。裏表ですから、必ず100%よいとは言えませんので、そこの部分のいい部分、悪い部分をはかりにかけなければいけないと思います。

この事務局を現在の教育総務課に置くことについては、平成27年第1回総合教育会議で決定しています。それに先立つ平成26年7月17日付、文部科学省初等中等教育局長からの通知には、第4、総合教育会議についての2、留意事項(6)その他2)のところに、総合教育会議に係る事務を教育委員会事務局に委任または補助執行させることが可能であるとしつつも、地方公共団体の長の部局で行うことが原則であると明記されています。この点に鑑みて、やはり前向きに補助執行をやめるということを検討していただきたいと思いますが、いかがでしょうか。

 

市長

現状、全国的に見ても半々の状態だと認識をしています。これは議員おっしゃるとおり、メリット・デメリットそれぞれありながら、地域の実情に応じて決めているということだろうと思います。

先ほど御答弁申し上げましたが、教育部局で庶務を行うことで効率よく事務調整が行われているというのが今の受け止めです。

 

吉田

今まで行ってきたことを踏襲していけば同じことが起きるということですから、いい部分も同じことが起きますが、今回のような残念なことも同じように起きることが考えられるわけで、そういう部分を改めることが必要ではないかという私の考え方は全く変わりません。

それでは、次に移りたいと思います。議題とする項目の考え方についてです。

法律上、協議・調整するべき事項には3つのくくりがあります。1つ目が大綱の策定、2つ目が教育の条件整備など重点的に講ずべき施策、3つ目が児童、生徒等の生命、身体の保護等緊急の場合に講ずべき措置です。協議・調整事項の留意点や具体的な例は、先ほど紹介した文部科学省通知に示されています。その中には、教育委員会が所管する事務の重要事項の全てを総合教育会議で協議し調整するという趣旨で設置するものではないことや、少しでも経常費を支出していれば日常の学校運営に関するささいなことまで総合教育会議において協議・調整できるという趣旨ではないことも書かれています。

本市教育委員会のホームページで過去の総合教育会議における協議事項を見ると、教育委員会に任せておけば足りるものが多いように思われます。定例会的に開くことより、肝腎なときに実質的に機能することを優先させなければなりません。

そこで、小項目4 文部科学省からの通知等にのっとり、議題とする事項は特に協議・調整が必要と判断されたものを厳格に選定すべきと考えますが、市長の御見解をお伺いします。

 

市長

先ほども答弁しましたとおり、総合教育会議の議題については、市長または教育委員会が特に協議・調整の必要があると判断した事項について選定しております。

 

吉田

これまでの運用についての検証などを行うつもりは全くないということでよろしいでしょうか。

 

市長

全ての事務事業について、これでいいということがあるとは思っていませんので、この総合教育会議に限らず、常に不断の見直しを図っていくことについては基本的な姿勢として持っています。

 

吉田

一般論としてはそのとおりだと思います。ただ、やはり、この根拠法の趣旨に沿ったものとそうでないものをしっかり分別しなければいけないと思います。教育委員会の事務にはもちろん教育委員会の職務権限がありますので、本来教育委員会がするべきことに余計な口を出すことは避けなければいけないのは当然だと思いますが、むしろ、子供の命に関わるようなこととか、前にも申しましたが、なぜ総合教育会議が設けられたかというその部分、あれからもう3か月たっていますから、きっとインターネット等で当時のことなどいろいろと調べていらっしゃると思いますが、本当に大事なのは一体どちらなのかということをもう一度よく確認して、その上で今後の運営に当たっていただきたいと思います。

それでは、最後の質問事項に移ります。大項目4 学校法人が所有し疑義が生じている非課税の固定資産についてです。

市当局は、令和5年12月の一般質問で疑義が生じていることを認め、令和6年9月の決算審査において調査、確認が始まっていることを明らかにしました。しばらくは推移を見守るつもりではありましたが、ここに来て新たな事情が生じたため、今回やむを得ず取り上げることといたしました。まずは、その調査、確認の結果についてお伺いします。

小項目1 教育活動の実施状況について把握されている内容を市長にお伺いします。

 

市長

非課税の規定の適用を受ける固定資産に疑義が生じた場合には、当該固定資産の活用実績報告書を学校法人に求めるとともに、相手方から教育活動の実施状況について聞き取りを行っております。

 

吉田

本件については令和5年12月時点で疑義が生じていますので、その際に今おっしゃったような答弁をされていましたが、実際に聞き取りと実地調査はこの1年間で行われた実績があるのかないのかだけお伺いします。

 

税務課長

疑義のある固定資産については、先ほどの市長答弁のとおり、活動実績報告書と所有者への聞き取り等を現在行っているところです。

 

吉田

聞き取りを行っているというのは、今ここで電話で話をしているわけではないので、行っているというのはどういう意味で行っているのか。既にこちらから相手方へ聞き取りを始めているということか。相手方からの回答も何らかのものを得るまでに至っているかどうかについて伺います。

 

税務課長

聞き取り等については、その詳細や進捗状況等、途中経過については、地方税法上の守秘義務に抵触するということもありますし、最終的な課税・非課税の判断に影響が生じかねないということもありますので、この場で明らかにすることは差し控えさせていただきます。

 

吉田

聞き取りをしたか、しなかったか。今時点で1回でも相手方とコンタクトを取ったかどうかということはそんなに影響しないと思うのですが、いかがでしょうか。

 

税務課長

繰り返しになりますが、こちらは進捗状況に関することですので、調査の途中経過ということで、申し訳ございませんが答弁は差し控えさせていただきます。

 

吉田

聞けるところから聞いていきたいと思います。

まず、次に移って、ここで一度時間を巻き戻して、そもそもの発端から振り返ってみたいと思います。この中で御存じではない方もいらっしゃるかと思いますので、念のためです。

当該固定資産は、大手企業グループの総合体育施設として平成6年に全施設が竣工し、平成10年から一般開放され、多くの地域住民からも利用されてきました。しかし、平成23年の東日本大震災で甚大な被害を受けたことなどにより、平成24年6月30日に閉鎖されました。所有者企業が利活用の在り方について売却も含めた検討を行っていたところ、長野県に本部を置く学校法人から購入に関する申出があり、所有者企業の考え方とも合致していたことから、両者で慎重に協議を重ねた結果、平成30年10月29日に売却に至ったとされます。このことを知った当時、山田市長1期目の公約であるスポーツ施設の再開が実現するかもしれないと、非常に期待が膨らみました。しかし、水面下ではさらに驚くべき話合いがされていました。

平成31年1月16日の河北新報朝刊に「県内4市町一般廃棄物処分場、候補地は旧スポーツ施設内」との記事が掲載されたのです。このあたりの詳しい内容は、平成31年2月定例会で小野寺美穂議員と大久保主計議員の一般質問により明らかになっています。

その後、令和2年6月定例会の小野寺美穂議員による一般質問で、当該施設の一部を最終処分場候補地として検討することを断念したことが明らかになりました。また、令和2年9月定例会の財務常任委員会で、同じく小野寺美穂議員の質疑により、固定資産税が非課税となっている事実が明らかになりました。

私は、しばらくの間、経過を見守りました。この間、幾つかのスポーツ少年団がここを利用してはいます。しかし、現に学校教育の目的とする教育活動が実施されていることが常態となっている様子は確認できません。地方税法が定める固定資産税の非課税には当たらないのではないかと疑い、令和5年12月定例会で取り上げた次第です。

学校法人が所有する固定資産に課税が認められた過去の裁判例を参考とすれば、当該固定資産は課税対象となると考えられます。しかし、長年にわたって非課税が続いております。当時、学校法人理事長とどういう話合いがあったのか。非課税とせざるを得ない特段の事情があるのか、説明が求められます。

小項目2 平成30年11月14日、亘理名取共立衛生処理組合一般廃棄物最終処分場の整備地として貸付けを打診し、同じ日に可能である旨の返答を受けた経緯があります。その前後も含め、固定資産税について協議や確認があった内容を市長にお伺いします。

 

市長

学校法人が東北電力株式会社からナスパの土地を取得したと公表したのが平成30年10月29日でありますが、これは、土地代金の決済により正式に学校法人の所有となったことを受けたものであると認識しております。

これ以前に土地の売買に係る契約行為が行われていたと聞き及んでいるところであり、この契約行為の後となる平成30年9月4日に学校長から固定資産税の非課税の取扱いについて確認を受けたところであります。

その後は、固定資産税非課税申告書の様式送付の依頼が同年9月27日に学校事務長からあり、同年12月15日付で同申告書が税務課宛て提出されたところであります。

 

吉田

事務的にはおっしゃるとおりですが、実際平成30年11月14日にお二人はお会いしているというわけで、そこでこの固定資産税の扱いについての何らかの話合いはあったのでしょうか、なかったのでしょうか。

 

企画部長

平成30年11月14日に会談を持った際には、非課税についてのお話ではなく、先ほど市長が御答弁申し上げましたように、学校法人の理事長ではなく、高等学校の学校長からそういったお話が後になされたところです。

 

吉田

時系列で見ますと、非課税申告書は平成30年12月15日に提出されたということですが、11月14日に貸付けの打診を行ったということは、その時点でごみの処分場にふさわしい土地だという認識を持っていたということなりますよね。もし、学校教育活動の実施が常態とされている固定資産であれば、その敷地内にごみの最終処分場を置いてくださいというのは非常識の極みだと思うのですが、実際それを学校法人は受け入れたわけです。非課税申告書が提出された12月15日時点、市は受けたと思いますが、これは学校教育活動が行われる土地、固定資産だという認識でそのときはおられたのでしょうか。

 

企画部長

最終処分場の使用貸借のようなことを申し入れた経過はあります。ただ、それはそういった利用についての協議を行っているということでありまして、取得の時点では、学校法人側は高等学校の用に供するために一団の土地を取得していまして、議論が平行している部分はあります。我々も処分場の協議はしていますが、その時点で処分場の使用の契約をしているものでもありませんので、その時点では学校の用に供するものという認識です。

 

吉田

そこに置けるかどうか可能性を確認したわけですから、ごみの最終処分場をそこに設置するということが前提となるわけですよ。普通、学校教育の用に供している固定資産に、ごみの最終処分場を置くことができますかなんて聞けますかね。例えば、市内に今ほかにも大学がありますが、現にある学校に対してそのようなことを聞けますか。これは明らかにそのときから学校教育は行われないということではなかったのか。行われていれば、ごみの最終処分場がそこにあったらおかしいですからね。学校法人は確かに所有はしているが、学校教育活動がしっかり行われるという確認はなかったと思いますが、その辺の事実はいかがでしょうか。

 

企画部長

このお話をした時点では、まだその施設については被災を受けた後の状況で、具体的な整備が開始された状況ではありませんので、申し入れた時点では、学校教育の用に供するというところまでは至っていないところはあったかと思います。

ただ、学校法人からは、市民への利用、開放といったことも含めて、学校として使っていきたいということでお話を伺っているところです。

 

吉田

市民の利用に開放するというのは大変ありがたいことです。ただ、それは学校教育とは全く切り離して考えなければならないことであるのも事実であります。

ということで、分かりました。市としてはごみの最終処分場を学校法人が所有する学校の土地に学校教育活動が行われるということを前提として提案したと今の御答弁からは捉えさせていただきました。

念のため、次に移りまして、小項目3 名取市市税条例第59条に基づく非課税の規定の適用を受けなくなった場合の申告がこれまでにあったのか、市長にお伺いします。

 

市長

非課税の規定の適用を受けなくなった旨の申告はありませんでした。

 

吉田

ということは、当該固定資産では、今後、学校教育活動が常態的に実施されていくものと捉えているということでよろしいでしょうか。

 

税務課長

議員お見込みのとおりです。

 

吉田

次に、小項目4 令和7年度の固定資産税について、課税すべきと考えますが、市長の御見解をお伺いします。

 

市長

令和7年度の課税・非課税については、相手方からの聞き取りや実地調査により教育活動の実施状況を確認し、判断してまいります。

 

吉田

聞き取り等がどこまで進んでいるかは御答弁ができないということで、こちらで知るすべは全くありませんが、ただ、いろいろな情報が入ってくるわけです。この質問事項の冒頭で新たな事情が生じたと私申し上げました。現在、施設の一部を借りて活動しているスポーツ少年団があります。ある情報筋によりますと、どうやら令和6年いっぱいで利用できなくなるらしいのです。前の所有者であった企業は、この当該学校法人が、地域住民も広く利用できる施設として健康増進や地域活性化に貢献したいとの考え方を持っていたことから売却を判断したとされています。それさえもなくなるということは、一層、非課税とする理由が小さくなり、ほとんど残らなくなるのではないかと。このスポーツ少年団への貸出し終了については、市長は何か把握されているでしょうか。

 

市長

詳しい状況は分かりませんが、スポーツの団体のほうから、今使っている旧ナスパのところがいずれ使えなくなるので、何か考えていただけないかという相談を受けたことはあります。

 

吉田

教育やスポーツ振興の観点からは、それはぜひ市のほうで取り計らっていただきたいと思うのですが、今申し上げたそのいずれのときかというのは、具体的にいつと相談されているのでしょうか。

 

市長

いつまで使えて、いつから使えなくなるというような詳しいお話までは把握していません。

 

吉田

それでは何の協力もできないですね。いずれというのは、3年後か5年後かもしれませんが。今首振りましたが、では、それはいつなんですか。

 

市長

それが1か月後なのか2か月後なのかという意味でありまして、何年何月というところまでは把握していないと。それが3年後だとは思っていません。

 

吉田

スポーツ少年団からある程度そのあたりの話が来ているのではないですか。そうしないと、彼らだって練習の拠点が変わり、いろいろ準備が必要になってくるわけですから、市にそういう相談がないわけがないです。いずれは彼らから話を聞く機会も出てくるかもしれないので、そのときは市長と話が食い違っていないことを祈るばかりです。

そして、このスポーツ少年団からは、なぜ当該施設での活動が継続できなくなるのかということについて、何か学校法人側の理由というものをお聞きではありませんか。

 

市長

把握をしていないところです。

 

吉田

貸出しを唐突に取りやめるということであれば、何か理由があると考えるのが普通だと思います。それを確認するのが急務ではないかと思います。先ほど聞き取りを行うと答弁されている以上、こちらのスポーツ少年団のほうも事情を知っていると思いますので、こちらは地方税法は関係ないですからお伺いすればいいと思います。そのあたりお考えはいかがでしょうか。

 

総務部長

スポーツ少年団の今後についてですが、市長には御報告していなかったかもしれませんけれども、野球の団体だったと思いますが、そちらのほうが使いたいということで、市の市有財産である普通財産を貸し付けている経緯はあります。

 

吉田

話が市長へ上がっていない部分があるんですかね。そうすると、何年何月までに例のスポーツ施設内での活動を終えなければいけないというような日程というのは、こちらにいらっしゃる方の中で、誰も知らないんですかね。

 

総務部長

財政課管財係で担当していますが、そちらにスポーツ少年団の担当の方がお見えになったときに、お話の中で、年内で使用は終了という話を聞いたと私は聞いています。

 

吉田

年内とやっと出てきました。そうだと思いました。

それで、なぜ年内に出て行ってもらうことになったのか。理由は、施設側としてはいろいろあると思いますが、構造物を設置したり撤去したり、あるいは所有権が移転するなどということが仮にあるとしても、今使っている方々は使用が継続できなくなると思います。仮に、この所有権の移転がある場合、それに向けた具体的な事務が既に行われているとするなら、学校教育活動を常態的に実施する考えはないわけですから、非課税の規定の適用を受けなくなった場合の申告が必要になるはずです。ごみの最終処分場の設置を打診した過去もあるわけで、相手方と連絡を取るすべは幾らでもあるわけですから、12月中に聞き取りを行っていただきたいと思いますが、いかがでしょうか。

 

総務部長

所有権の移転の件について、それがどこまで本当の話か分かりませんが、現在その話が出てきていないということは事実ですし、何らかの先の動きがあるのかどうかについては聞き取りはできるかもしれませんけれども、市としては受け身の態勢です。

 

吉田

何かどうも市役所の皆さんのお話を聞いていると、学校法人を非常にかばっているように感じられるんですよ。法の趣旨、税金は、それこそ全ての納税者にとって公平・公正でなければいけませんから、これだけ疑義が生じていて、しかも令和5年12月から言っているのに、ほとんど進展したようには答弁からは捉えられません。

私、今日4項目の質問事項を駆け足で質問してきましたが、もうこれ以上こういうことについて続編が必要とならないように適切に処理をしていただきたいと強く願いまして、本日の一般質問を終了したいと思います。

 

本会議

(議案第113号 名取市地域経済牽引事業の促進による地域の成長発展の基盤強化に関する法律第9条第1項の規定に基づく準則を定める条例の一部を改正する条例)

吉田

14番吉田 良です。ただいま議長から発言のお許しがありましたので、議題となっております議案第113号 名取市地域経済牽引事業の促進による地域の成長発展の基盤強化に関する法律第9条第1項の規定に基づく準則を定める条例の一部を改正する条例に対し、反対の立場から討論を行います。

令和6年12月2日、本会議の審議において、本議案が成立することによる緑地率の緩和等について地域住民への事前の説明が一切行われていないことが判明し、大変驚かされました。なぜ、住民への説明を後回しにして先に議会に上程する手順となったのか。事実は判然としませんが、仮に答弁にあったとおり実害がないのだとしても、地域住民にとって容認し難いものであることは想像に難くありませんでした。

12月10日、愛島台自治会から「工場の緑地等に関する条例について」と題する文書をはじめ、A4の文書3枚が速達で届きました。恐らく全議員のところへ送られたものと思われます。当該文書については建設経済常任委員会の審査においても言及されていましたが、改めて内容を紹介しますと、主に2点の主張が述べられております。1点目が、住民の同意なしで行政の施策を進めないでほしいという願い。2点目が、第1期産業用地と第2期産業用地は同じではないというまちづくりの実情です。特に2点目については、住宅地を産業用地に変更するに当たり、用途地域を準工業地域としたことで受け入れた経緯があり、令和6年8月29日には市長に直接要望書が出され、自然環境を生かしたまちづくりが行われることへの願いが伝えられたそうです。伺ったところによれば、要望活動は地域住民側から一方的になされたものではなく、市職員も地元自治会の集会に足を運び、それぞれの立場から、よりよい居住環境の実現に向け協議が重ねられてきたとのことです。そのような経緯があるのであれば、このたびの条例改正に関しても、地域住民に全く説明を行わずに議会だけで決定するというのは、いささか乱暴ではないのかと思います。

本議案は愛島台地区計画の範囲の一部を対象としており、条例改正は実質的に地区計画に準じる規制緩和と言い得るものです。地区計画を変更する際には、非常に長い期間をかけて地域住民の合意形成を行っていくのが一般的です。本件事案は、企業誘致という市の大型プロジェクトが進行する中で急を要するという事情は理解できないものではありません。そうであればこそ、規制緩和が必要というのであれば、地区計画の変更の手続とまではいかなくとも、住民の理解を得るよう早くから、そして、丁寧に、対話と説得を繰り返すことを決しておろそかにしてはならなかったはずです。

私は個人として、積極的な企業誘致は本市の持続的な発展のために必要との立場ではあります。しかし、現在の名取市政は、企業誘致や移住・定住促進にいささか前のめりになっている印象を持っています。もちろん新しい企業、新しい住民を拒むものではありません。そうしたものを受け入れる前提は、現在住んでいる人たちこそを最も大事にする姿勢ではないかと思います。論語には「近き者説べば、遠き者来る」という言葉があります。こちら現代語訳するまでもありません。これが統治の基本です。現在住んでいる人たちを大切にするまちづくりを行えば、よその地方からも人は集まってくるということです。逆に、人口の推移の数字ばかりを見て、現在の住民を置き去りにした統治が行われれば、人々は住み慣れたまちを去ってしまうでしょう。これまで対話の実績があるにもかかわらず、一方的にひっくり返されてしまうのでは、愛島台地区に限らず市民と行政との対話は成り立たなくなってしまいます。委員会が、そして、議会が可決したから住民は納得しろとも捉えられない進め方は、市政全般において厳に慎むべきであると考えます。

12月9日付議員宛ての速達文書には、12月13日に市から地元へ説明を行いたいと申入れがあった旨書かれています。同じ12月13日、建設経済常任委員会で本議案が審査され、可決すべきものと決しています。この委員会審査では、大いに反省すべきであり、以後気をつけていただきたいという意見もありましたが、これまで愛島台地区におけるまちづくりに携わってきた方々の思いは重く受け止めるべきであろうと考えます。

委員会審査後の夜に市当局から自治会への説明が行われたため、委員会審査結果をこの場での採決の前提とすることはできません。そして、説明終了後の12月15日に自治会側へ独自に聞き取りを行ったところ、本議案への十分な理解はいまだ得られていないとしか受け止めることができませんでした。したがって、近き者が説ぶことのできない本議案に対し、現時点では賛成することができません。

以上、私から反対の討論を終わります。

 

 

(議案第114号 工事請負契約の変更)

吉田

まず、用語で分からないところがありますので、詳しい内容をお伺いします。資料の中で、今おっしゃっていたのり面の保護工の部分の変更後に当たる客土吹付と植生基材吹付という部分ですが、これの詳しい内容についてお伺いします。

 

都市開発課長

当初の種子吹付については、種と水と肥料を混ぜて散布するという工法です。客土吹付については、そこに土等を混ぜたものを1センチメートル程度の厚さでのり面に吹きつけるという工法です。植生基材吹付については、のり面の土質が礫混じりまたは軟堅混じりということで、堅いのり面に対して吹付をする工法で、土壌改良剤を用いて、それに堆肥、種子を混ぜて、おおむね四、五センチメートルの厚さでのり面に吹きつけるという工法です。

 

吉田

そちらの面積が2,200平方メートルということですが、赤で囲まれた図の中のどの部分が変更後の吹付になっているのでしょうか。

 

都市開発課長

図面上の上側の部分が、道路のほうが高くて敷地が低いため、どうしてものり面が出ます。全体としては、当初、種子吹付を約1万1,000平方メートルと見込んでいましたが、その2割が変更になり、約1,400平方メートルを客土吹付、約800平方メートルを植生基材吹付に変更しています。

 

吉田

掘削残土を搬出する先はもう決まっていると思います。どちらへ搬出することになっているのでしょうか。

 

都市開発課長

こちらの残土は、今後の造成で使用するために、今回の工事以外の事業用地にストックしています。

 

吉田

今までもこの工業地域の中で、余った土を次の造成の部分で使うというやりくりをしてきたと思います。距離的にはそんなに離れていないところにあると思いますが、この1万7,000立方メートルの残土を全部活用していくとしても、その金額が気になります。単価としてはどのように考えているのかお伺いします。

 

都市開発課長

今回トラックに積み込んで、すぐ近くの今後の事業所用地に運びました。単価としては1立方メートル当たり800円程度で搬出できました。

 

 

(議案第116号 令和6年度名取市一般会計補正予算)

吉田

12、13ページ、19款2項1目財政調整基金繰入金について伺います。こちらは歳出の部分でいうと返還金が多いのか、充当先の内訳を伺います。増額ではなく、減額になっている部分もあれば併せてお伺いします。

 

財政課長

財政調整基金繰入金は一般財源という扱いです。歳入の補正と歳出の特定財源が当たらない一般財源を見まして、全体的に充当しています。先ほど議員からありました返還金等も大きな要因ですが、詳細には歳出の一般財源に全て充てています。

 

吉田

同じく12、13ページ、19款2項14目企業版ふるさと納税基金繰入金でお伺いします。こちらについても補正予算編成後の残高をお伺いします。

 

財政課長

補正予算編成後の企業版ふるさと納税基金の残高は、あくまでも予算上の残高の見込みですが、3,100万9,000円となっています。

 

吉田

今の説明ですと、予算としての見込額ということになるのでしょうか。この200万円という金額は、歳出2款1項6目仙台空港周遊チャーターフライト委託料にぜひそれを充ててほしいという企業の意図によって寄附されるということであると思いますが、何社から寄附があるのか。恐らく内々で意向を示されているのは把握されていると思うので、その点お伺いします。

 

政策企画課長

一部歳出に重なる部分がありますので、政策企画課からお答えします。

こちらの企業版ふるさと納税については、先ほどより申し上げておりますとおり、歳出2款1項6目企画費の仙台空港周遊チャーターフライト委託料に充当することを見込んでいます。こちらについては、令和5年7月に空港を生かしたまちづくりの推進を目的とする包括連携協定を締結した日本航空株式会社から企画の提案を受けたものです。この企画を実施するに当たり、ある程度財源の見通しが立たないと難しいということも市から申し上げていまして、交渉や打合せを重ねていく中で、日本航空株式会社からこの企画に御賛同いただける企業にお声がけいただき、賛同いただける複数の企業を見込める状態になりましたので、今回予算化しています。200万円の内訳として、具体的には3社ほど賛同いただける企業を見込んでいます。

 

吉田

16、17ページ、2款1項6目企画費12節委託料、仙台空港周遊チャーターフライト委託料についてです。内容は先ほど説明がありましたので分かりました。

この委託の在り方ですが、どういう範囲の業務について委託をするのか。委託先の選定の仕方等々、既に決まっているのか決まっていないのかなども含めてお伺いします。

 

政策企画課長

まず、委託先の選定については、指名競争入札で複数の事業者にお声がけをさせていただきたいと考えています。

委託業務の内容については、実際当日運航することになる飛行機のチャーターあるいは飛行機の中で子供たちに対して行う勉強会、それから、離陸前もしくは着陸後に行う子供たちの職業体験の教室なども一括して委託業務の中でお願いしたいと考えています。

 

吉田

募集などの事務についても委託業務の中に含まれているかどうかと、実際の当日のフライトについては、市職員が張りつくことなく、トラブルがあったときの対応も委託業者が全てできるような体制になるのかどうかを併せてお伺いします。

 

政策企画課長

具体的な子供たちの募集については、市の広報やホームページを使いますので、こちらは市で担当したいと考えています。当日についても、受付業務や誘導については、市の職員も一緒になって対応したいと考えています。ただ、運航そのものについて、想定しないような事態が発生した場合等については、委託する事業者に対応をお願いしたいと考えています。

 

吉田

16、17ページ、2款1項6目企画費18節負担金補助及び交付金の地域活性化起業人受入負担金の減額の内容をお伺いします。

 

なとりの魅力創生課長

こちらは当初予算では令和6年度いっぱいの1年度分を見込んでいましたが、実際の協定締結では4月から9月までの半年という形になっていました。その後、延長の協議はしましたが、協議が調わず9月末で終了となりましたので、残り半年分の負担金について減額補正をするものです。

 

吉田

ただいまの御説明ですと、継続していただくことを市としては求めていたが、継続されなかったと。そうするとそこに穴が空くことになりますが、その影響はどのように考えているのかお伺いします。

 

なとりの魅力創生課長

この方には令和5年1月1日から令和6年9月末まで派遣受入れという形で、主に事業の企画立案をお願いしていました。令和6年度事業については予算取りなどしていただきましたが、事業の企画立案の部分は上半期でほぼ終了していることもあり、いろいろと御活躍いただいて市としては継続という考え方でいましたが、今回9月末で受入れは終了となりました。

 

吉田

30、31ページ、3款3項5目児童措置費19節扶助費でお伺いします。放課後等デイサービス給付費、こちらは発達障害のある子供さんの利用者の増ということだと思いますが、現在、この給付制度の対象となっている施設の全体の数と、今回の補正で対象となる施設の数をお伺いします。

 

社会福祉課長

上段の児童発達支援事業所は現在12か所あります。下段の放課後等デイサービスは15か所ありまして、全ての事業所に利用者が通っておりますので、全てが対象となります。

 

吉田

結構大きな額だと思います。当初予算を編成して、今回12月補正ということで、この1年足らずの間に、実数は分からないのですが、随分利用する方が増えているようです。近年における利用者数の推移を捉えていたら、年ごとのデータがあれば教えてください。

 

社会福祉課長

まず、上段の児童発達支援は、令和3年度94名、令和4年度124名、令和5年度151名と、年々増加傾向にあります。放課後等デイサービスは、令和3年度155名、令和4年度171名、令和5年度199名と、こちらも年々増加の傾向にあります。

 

吉田

30、31ページ、3款3項5目児童措置費19節扶助費について伺います。先ほど、利用人数が増えているということでしたが、放課後等デイサービスを利用できる要件はどのように設定されているのかお伺いします。

 

社会福祉課長

おおむね18歳未満の障がいのあるお子さんを要件としています。

 

吉田

障がいがあるということは、医療機関を受診して、医療機関で認められたということを施設側で確認をした上で受け入れているということでよろしいのでしょうか。

 

社会福祉課長

御利用いただく前に、まず市に利用の申請の手続をしていただきます。その際に障害者手帳や診断書を確認し、この方にはこういうサービスが必要だという判断をした上で給付決定を出します。その給付決定の受給者証を持って施設を利用いただくという流れです。

 

(議案第120号 令和6年度名取市宅地造成事業特別会計補正予算)

吉田

94、95ページ、5款1項2目公営企業債が減額となっていますが、もともとは株式会社小糸製作所の貸付けが4億円しかなかった部分について、足りないところを市債で賄おうとしていたために今回減となったという考え方でよろしいでしょうか。

 

都市開発課長

お見込みのとおりです。

 

吉田

今回7億円余りの減となっていますが、ここに書いてある内陸工業用地造成事業に対する起債の発行済みの現状で起債されている残額はどのぐらいになっているのでしょうか。

 

財政課長

事項別明細書の99ページを御覧ください。地方債の調書の2段目、公営企業債の現在高は令和5年度末で1億5,000万円になっています。

 

(議案第126号 令和6年度名取市一般会計補正予算)

吉田

10、11ページ、2款1項1目一般管理費12節委託料の顧問弁護士委託料について伺います。債務負担行為の仙台地方裁判所令和5年(行ウ)第8号に係る控訴審事件がこのことだと思いますが、第一審の経過について把握していなかったので、そちらの説明を求めたいと思います。

 

総務課長

令和6年11月19日に判決が言い渡されまして、その内容は、原告の請求を棄却するものであり、かつ、その理由中の判断においても、市の主張を全て認めるものということです。原告がこれを不服として控訴を提起したものです。

 

吉田

12、13ページ、2款1項30目震災復興費22節償還金利子及び割引料について伺います。この東日本大震災復興交付金返還金を1つ前の第9号補正後の震災分の残高から引いた分が今回の第10号補正の財政調整基金繰入金の震災分5億3,567万5,000円という計算でよろしいでしょうか。

 

財政課長

議員お見込みのとおりでして、歳出のこちらの返還金については、全て財政調整基金の震災分を活用しています。

 

吉田

震災復興事業はほぼ完了していると思いますが、まだ5億円以上の残額があるということです。その5億円余りのうち、なぜ今回この4億2,600万円余りの部分のみの返還となったのか、この返還金の算定の基準根拠等について伺います。

 

財政課長

こちらの返還金の内容は、閖上地区、下増田地区の防災集団移転促進事業の移転先団地に係る分譲売払いした区画のものです。そちらに対する造成費、用地取得費に国庫補助金、東日本大震災復興交付金が入っていました。売払いを行った場合については国庫補助金、復興交付金を国に返還するというルールになっていますので、今回計上させていただきました。今回なぜこのタイミングなのかについては、分譲については平成26年度から継続して各年度実績がありました。毎年実績がありましたが、ある程度、落ち着いたタイミングで返還するという考えの下、近年、分譲の希望を申し出る方が大分少なくなってきたという状況を鑑み国に返還方法について相談してきました。今般、国との協議の中で手順についての指示を受けまして、それから、復興交付金の返還の金額等々の確認も受けまして調った状況となりましたので、今回、返還金の補正をお願いしています。

 

吉田

歳入に戻りまして、8、9ページ、19款2項1目財政調整基金繰入金、先ほどの財政調整基金の震災分の残額ですが、こちらはどういったことに充てられるべき財源となっている考え方なのでしょうか。

 

財政課長

先ほど申し上げました返還金に関わる分譲の金額は約9億600万円程度の売払いの収入がありました。そのうち、国庫補助金、復興交付金が入っている部分が歳出に計上している部分ということで、その差額については国との協議の中で返還する必要はないということで、純然たる市の収入になります。先ほど震災分の残高5億3,567万5,000円と申し上げましたが、その中に先ほどの分譲の収入と返還金の差額が4億円程度含まれているという状況です。まだ震災分の財政調整基金ということで管理は当面していきます。現在、国に震災分の事業費、またその財源などを年に1回報告している決算統計という業務があります。その中で震災分というくくりがまだ設けられておりますので、その報告が終了するまで、震災分の歳入歳出の管理という中で捉えていきたいと考えています。

 

吉田

今後その処理が終われば、これまでずっとその財政調整基金の残高を確認する際に通常分と震災分と分けて数字を示していただきましたが、震災分という考え方がなくなって、通常分ということになり、震災関連の必要となる別枠の財政調整基金はもう必要がなくなるという考え方でよろしいでしょうか。

 

財政課長

国の統計報告が終了するタイミングで財政調整基金の震災分についてはなくして、通常分に溶け込んでいくようにしたいと考えています。

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