名取市増田に鎮座する増田神社の春の例大祭が斎行されました。
神輿担ぎ手の募集や道路使用許可申請、各種関係団体との調整などについては、かなり前から準備を行っています。
一週間前には神輿渡御のルートを中心にバレンを飾り、前日に境内を整備します。
奉賛会は4月12日の9時に集合し、準備作業を始めました。

神輿が出発する前の時間帯に、市の無形民俗文化財に指定される花町神楽が演舞されるため、その舞台となる神楽殿の準備を行います。
保存会の皆様が待機できるよう、テントも設置しなければなりません。

また、大小ののぼり旗を掲げます。
小さいのぼり旗は新嘗祭や年末年始にも掲げられますが、大きいのぼり旗は春の例大祭のみとなっています。
非常に重量があるため、倒れたりすれば大けがにつながりかねません。

参道には提灯を設置します。
日中の時間帯なので点灯はしませんが、この下を神輿が通る場面も見どころの一つです。

奉賛会の会長は、神社を訪れた方に喜んでいただけるよう、たくさんの種類の花や植物を植えて管理しています。

今年はちょうど桜が満開です。

境内の準備がある程度進んだところで、担ぎ手の着替え会場となる増田公民館の部屋の準備へと移ります。
担ぎ手の身体や足のサイズを事前に聞き取り、個人ごとに衣装と地下足袋を一つの袋にまとめ、並べて置いておきます。

日程や衣装の着方、注意点などは正面のホワイトボードに手書きします。
イラストがかわいいですね。
全ての準備を終え、社殿に集まって前夜祭の祈祷を行いました。

例大祭当日の4月13日を迎えました。
午後から雨の予報が出ていますが、9時から神輿の飾り付けの準備を始めました。

子供神輿も2基、出ることになっています。

花町神楽保存会の方たちもお見えになり、奉納の準備が始まりました。
吉田良は奉賛会の会員であると同時に担ぎ手にも登録しているので、このあたりで準備作業から離脱し、着替えを行いました。

着替え会場から出ると、霧雨が降り始めていました。
境内に戻ると、花町神楽と女川獅子舞の奉納が始まっていました。
雨は強くなりつつあります。

御祈祷が終わると、雨脚が少し弱くなりました。
午後1時半に御神輿が出発し、増田町内を練り歩きました。

かまぼこのささ圭前では、神輿の到着に合わせて閖上太鼓が披露されました。

練り歩きの間、終始雨は降り続け、冬に逆戻りしたような気候でしたが、神輿を担ぐ熱意は寒さを感じさせませんでした。

神輿が増田神社に到着した午後4時には、雨はほぼやんでいました。
50名近い担ぎ手の中には、名取市役所の職員の自主的な参加も含まれています。
少子高齢化や都市化の影響によって神輿が出せなくなる神社が増えており、名取市内でも毎年神輿を出しているのは増田神社と閖上湊神社だけとなってしまいました。
宗教であることから、公的な支援を受けることはできませんので、奉賛会が中心となって継続できる基盤を固められるよう、吉田良は最大限に尽力していく所存です。